研究開発

超高速AFM技術を用いたUFB測定システムの開発

2020年度NEDO先導研究プログラムに「ウルトラファインバブルの粒径並びにダイナミクスの新規評価⼿法開発」というテーマで採択されました。

本研究開発では、産学が連携し、弊社の「動画AFM」の技術をベースに、
他の計測⼿法との⽐較、理論的解析を通じて、ウルトラファインバブル(UFB)の評価技術の10 nmレベル微⼩領域への拡張と標準化、及び、洗浄プロセス等にUFBが及ぼす効能の解明に取り組みます。

HOPG基板上で気泡が発生する様子を高速AFMで観察

走査速度:1 s / frame (1 frame / sec )
走査範囲:2 μm × 2 μm

UFBは⽇本で⽣まれた画期的な技術であり、近年実⽤化が進み、UFBを利⽤した製品も洗濯機やシャワーなど⾝近なところにまで浸透してきています。
しかし、様々な効能がマクロな現象としては認識されている⼀⽅で、UFBの実際の作⽤メカニズムについては殆どが未解明のまま放置されています。またUFBの粒径計測においても、これまでの計測⼿法では、粒径が60 nmを下回るバブルは、計測・評価することができませんでした。

本研究開発により、UFBの計測評価の標準化が進展し、作⽤メカニズムの解明が進むことが期待されています。

2020年度 「新産業創出新技術先導研究プログラム」 

【研究開発課題】

機能物質等の標準化・規格化及び認証取得等を推進するための基盤

【研究開発テーマ】

ウルトラファインバブルの粒径並びにダイナミクスの新規評価⼿法開発

【実施体制】

⼀般財団法⼈ファインバブル産業会
国⽴研究開発法⼈産業技術総合研究所
株式会社⽣体分⼦計測研究所
株式会社サイエンス

高速原子間力顕微鏡システムの高機能化と計測の自動化

従来難しかった高速AFMでの観察を、専門家と同等の観察が容易に実現できる装置を目指し、以下の開発を行いました。
(1)カンチレバーの取り付けの容易化
(2)カンチレバー光軸調整の自動化
(3)試料位置決めの自動化
(4)測定パラメータの自動化
(5)対話型のソフトウェア

 

(3)試料位置決めの自動化

  • 2方向カメラによる視覚化と画像認識による位置調整によりカンチレバーの衝突を防止する  
 

(4)測定パラメータの自動化

  • 測定パラメータのPC制御化により、パラメータ調整を自動化する
  • 熟練者の設定パラメータを参照できる
     

これらの機能の一部は、ユーザーフレンドリーな対話型の「ガイド機能」として、
弊社製品MS-NEXに搭載されました。

本研究は、公益財団法人 広沢技術振興財団試験研究助成を受けて実施されました。
(平成29年12月7日~同30年10月31日)

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